デザインにも色々な領域があり、製図も幅広く利用されている。直接的に使われるインテリア・デザインや工業デザイン、空間演出、建築だけでなく、彫刻や絵画制作を含めて、試作用の縮尺・実寸モデル制作のために平面図形や展開図を取ったり、プレゼンテーションのために必要な各種の製図が使われる。
 デザイン領域での製図は、目的に合わせた図法の選択と正確さと明瞭さ、なにより迅速さが重要である。
 平面製図は最も基本的な製図である。ここでは角や線分の等分、円・弧の中心を求めるなどの基礎的な作図から、正多角形の作図、展開図を求めるための補助製図などを中心に掲載した。
 プロダクト系のデザインだけでなく、空間表現系のデザイン領域やグラフィック・デザイン全般でもそれらを活用する領域がたくさんある。
 パッケージ・デザインはもとより、トレード・マークのデザインやサイン計画、ピクトグラムのデザインなどの情報デザイン系統には切っても切れない関係があり、装飾的なパターン、エレメンツの制作、などたくさんの用途もある。
平面製図
展開図
 部品の組み立て図や内部構造図、集合住宅の平面図など、立体化して解りやすくするための図法及び技法をいう。
 30°-60°法、45°法ともに等角投影(アイソメトリック)図法に線の太さで強弱を付けたり、そこに陰影法を加えるだけでも視覚的になる。さらに着色されデザイン領域でよく使われる。
 絵画的な立体表現を加えて、形状や断面を立体的で視覚的に表したものは、幅広い表現スタイルがあり、テクニカル・イラストレーション(Technical Illustration)と呼ばれる。
テクニカル・イラストレーション
( T.I. : technical illustration )
 外径線図はx/y/z軸それぞれに取ったたくさんの断面図によって構成され、工業デザイン(I.D.=Industrial Design)でよく使われる。
 x/y/z軸ごとにグリッドで区切って、それぞれの断面を求めて、各面の断面は他の2面の交点から割り出し作図する。
 その後、断面図はグリッドのように組み立て、寸法的に不安定になりがちな3次曲面を正確に作り出すので、不自然な変化をする曲面のチェックにも応用される。
 2次元の製図と3次元のモデリングとのギャップを埋めて、結びつけるための大切な図法である。
外形線図
 ラフスケッチからプレゼンテーション用まで、レンダリングの用途は幅広く、描画レベルにもかなりの差がある。
 クライアントへの提案用だけでなく、正確なレンダリングは自分の発想を具体的に確認するためにも重要な技法、技術になる。
 最も見え方として自然な透視図法が基本的な描画方式になるが、正投影図(第三角法)の図面をベースに固有色や質感を加えたり、ロゴタイプや文字類などのグラフィック素材を着色していくだけでもレンダリング機能が働く。
 更に現代ではCAD WORKが具体的な制作の中心になってきている。それぞれアプリケーションによるレンダリング機能が充実してきているが、機能レベルだけでなく、操作のしやすさを加えた特性から比較した時、寸法的な機能レベルの高いアプリケーションでは、描画能力が少し低めであったり、描画能力の高い3Dアプリケーションでは、寸法的な管理能力が低めであったりするので、それぞれを補うためにアプリケーションを連動させながら制作する。そのため、ファイル形式の互換性が重要になる。
レンダリングへの展開